中華麺の主な原料とは

中華麺の原料は主に、小麦粉、水、かん水、添加物ととてもシンプルな原料です。

小麦粉について

小麦粉には、強力粉・中力粉・薄力粉の3種類があり、中華麺のコシを作るグルテン量が多い強力粉・中力粉が中華麺に適しています。

水について

中華麺に適した水は、一般的には軟水の方がなじみやすくグルテンの形成を助けるとされています。
また、水分量(加水率)が重要で、35%を基準として加水率が多いともちもちとした喉越しの良い多加水麺となり、加水率が低いと歯ごたえがあって、スープをよく吸う低加水麺となります。
加水率に関してはこちらのコラム記事を御覧ください。

かん水について

中華麺を作る上で一番重要な原材料の一つです。小麦粉にかん水を合わせて練り上げることで、小麦粉のグルテンに作用して独特の風味と弾力、色味を生み出します。
かん水の原材料は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸2ナトリウム等の科学化合物の他、内モンゴルの天然由来のものなど様々あります。
かん水に関してはこちらのコラム記事を御覧ください。

添加物について

添加物を加えることで、中華麺に様々な効果を生み出すことが出来ます。
卵白=麺のもちもち感をあげ、ゆで伸びを抑えます。
卵黄=麺の弾力をあげたり、色味を加えます。
酒=かんすいの独特の香りを抑えます。

早川製麺所ではそれぞれのお店のスープに合わせて、配合を微調整することでオリジナルの麺をご提案いたします。

ストレート麺とちぢれ麺の違いとは

ストレート麺とちぢれ麺の違い

スープとの絡みは?

両者の大きな違いにスープとの絡み具合があります。
一見、ストレート麺よりもちぢれ麺の方がスープとの絡みが良さそうに見えますが、実はストレート麺の方が麺と麺との隙間が少なく、スープを吸い上げることができるので、ちぢれ麺より良く絡みます。
逆に縮れ麺は麺と麺との隙間が広いため、麺を上げた時にスープが落ちてしまい絡みが少ないのです。
実際の実験結果でもストレートの麺の方がスープが良く絡まることが実証されています。

スープのジャンルによって使い分けている?

支那そばや横浜家系博多ラーメンはストレート麺が多く、札幌ラーメン喜多方ラーメンなどはちぢれ麺が多く、ジャンルごとに使われる麺の種類が違う傾向にあります。
ストレート麺は比較的どのスープとも相性が良く、食べやすいの形状も特徴です。
ちぢれ麺はコシが強く、独特の食感を楽しめる形状なので麺にも特徴を出したい時におすすめです。
淡麗系ラーメンなどの澄んだスープやつけ麺などには盛り付けた際にキレイに見えるストレート麺が好まれます。

製法の違いは?

ストレート麺とちぢれ麺の製法は、途中まで全て同じ過程で製造されています。
麺をちぢれさせるために、切り出す時に切刃の出口にシリコンゴムを着けることで、切りだされた麺に力がかかり、ちぢれて出てきます。
機械ではなく、切りだされた麺を手で揉んでちぢれさせる製法もあり、手揉み麺と呼ばれます。手揉み麵は、一本一本の麺の形状がまばらになり凹凸ができるので、より独特の食感が強くなるのが特徴です。

早川製麺では、ストレート麺・ちぢれ麺などお客様の好みに合わせたオリジナル麺をご提案させていただいております。
サンプル請求やご質問・ご相談等ございましたらお気軽にお問い合せください。

つけ麺とラーメンの違いとは

ラーメンは一般的にスープの中に中華麺を入れ、チャーシューやメンマなど様々な具を組み合わせた麺料理です。
つけ麺は麺とスープが別々に提供され、一口ずつスープに麺をつけて食べる麺料理です。

つけ麺の特徴

つけ麺は麺を水や冷水で締めるので、ラーメンの麺よりツルツルと鮮やかで食感もシコシコと弾力があります。
※冷たい麺だと、スープが冷めてしまうので、冷水で締めた麺を温めて提供する、【あつもり】という提供方法もあります。

つけ麺の麺は、濃い目のスープとよく絡み、味に負けないように一般的には太めの麺が多く採用されています。
また、スープと一緒に食べない分、満足感・ボリューム感をもたせるため麺の量は1.5〜2倍で提供されるのが一般的です。
つけ麺には、残ったスープを出汁で割るスープ割りというラーメンとは異なる楽しみ方もあります。

加水率とは

加水率とは
製麺の際に小麦粉に対する水の比率を加水率と呼びます。
小麦粉を100とした場合、加水率35%前後が一般的で、加水率が上がれば多加水麺、下がると低加水麺と呼ばれます。

多加水麺の特徴

多加水麺の特徴は、食感がもちもちして、喉越しが良く、あらかじめ水分を含んでいるためスープに入れていてものびにくいですが、その分スープに絡みにくいと言えます。
スープの絡みを良くするため、太めでウェーブのかかったものが多い傾向にあります。
ジャンルでいうと、札幌ラーメンや喜多方ラーメンなどに良く使われています。

低加水麺の特徴

低加水麺は、食感が硬めで歯ごたえが良く、スープとの絡みがとても良いですが、加水率が低いのでスープを吸収しやすく延びやすいのが特徴で、細めのストレートが多い傾向にあります。
ジャンルでいうと、博多ラーメンや熊本ラーメンなどに良く使われています。

地域別加水率

地域ごとに多加水と低加水の傾向がありますので、一覧にしてみました。
旭川ラーメン:低加水(約26~30%)
札幌ラーメン:多加水(約35~40%)
喜多方ラーメン:多加水(約38~42%)
横浜家系ラーメン:通常(約28~30%)
京都ラーメン:通常(約30~32%)
博多ラーメン:低加水(約26~28%)
熊本ラーメン:低加水(約26~28%)
鹿児島ラーメン:通常(約30~32%)

中華麺とパスタの違いは?

日本人が大好きなラーメンとパスタ。
どちらも小麦粉で作られている麺類というのは、皆さんもご存じでしょう。
では、この二つ違いとは何なのでしょうか。
今回は、中華麺とパスタの違いについてお話ししたいと思います。

中華麺の特徴

中国が発祥といわれ、小麦粉に水とかん水を混ぜて練り合わせたものを延ばし、線状に細長く切ったもので、中華麺とパスタとの大きな違いの一つにこのかん水を使用するということがあげられます。
かん水が小麦粉と合わさることで、中華麺独特の風味やコシ、色合いがでます。
中華麺は、生麺と乾麺がありますが、お店ではほとんどが生麺を使っています。
もともと中華麺は、お店で麺を作って提供していたのが主流だったためといわれています。

パスタの特徴

イタリアが発祥といわれ、小麦粉と塩と卵を練り合わせたものを、機械で線状に押し出したり、短く押し出したり、様々な形があるのが特徴です。
パスタは、中華麺と逆でほとんどのお店で生麺ではなく、乾麺が使われています。
パスタの芯を残して茹でる「アルデンテ」は、乾麺でないとできないので、乾麺が主流となっているといわれています。

同じ小麦粉でできている麺類でも、製法や文化で違いがあって、とても興味深いですよね。

最後に、

中華麺とパスタの大きな違いであるかん水を入れてパスタを茹でると、パスタに中華麺のような風味とコシが生まれるんです。
家庭で作る時は、かん水がなかなか手にはいらないので、重曹で代用できますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

博多系の麺の特徴は?

スープの特徴は?

博多ラーメンと言ったら乳白色の濃厚な豚骨ベースのスープです。
鍋で時間をかけて豚骨を炊いているため、骨のゼラチンが溶け出し、
スープに少しとろみがあるのも特徴です。

麺の特徴は?

見た目は白く、太さは極細(番手26~28番)ストレートな麺。
加水率が低く(24~28%)、粉っぽくコシの少ない麺で、
濃厚な博多系のスープを吸いやすいのが特徴です。
もともとは、博多の魚市場で働く人に
短時間で提供できるようにと、茹で時間の短い極細の麺が
作られたという説があります。(諸説あり)

独特な注文方法

麺自体のコシが少ないため、茹で時間で固さを調整して提供しています。
自分の好みの固さを選んで注文ができるのも博多系ラーメンの特徴のひとつで、
この硬さを表した独特の言葉がありますので、ここでご紹介します。

粉落とし 文字通り麺の粉を落とす程度の茹で時間でほぼ芯が残った固さ
ハリガネ 粉落としよりは茹で時間は長いが、芯が多めの固さ
バリカタ 固めより少し時間を早く茹でた芯の残る固さ
カタ 通常の固めの麺の固さ
普通 しっかり茹で上げた通常の固さ
やわ 通常よりもやわらかく茹で上げた固さ

麺の追加システム【替え玉】

博多系ラーメンの麺は細く、伸びやすいため、大盛りでの提供がないお店がほとんどなんですが、大盛りの代わりに麺の追加注文ができる替え玉というシステムがあります。
替え玉注文は、茹でたての麺を追加するので、細麺が最後まで伸びずに
おいしく食べることができるとても画期的な提供方法です。
今回は、博多系ラーメンの特徴について簡単に説明しました。
今後食べる機会があるときには参考にしてみてください。

かん水とは

ラーメン(中華麺)でよく耳にする【かん水】というワード。
実は、ラーメンの麺を作る上では欠かせないものなんですが、実際のところどのようなものなのか、知らない方も多いと思います。
今回は、かん水についてお話します。

かん水の原材料

かん水の原材料は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸2ナトリウムなどからいずれか1つ以上含むアルカリ性の食品添加物です。

かん水の役割は?

かん水は、小麦粉のタンパク質(グルテン)に作用して、独特の風味と弾力、つやを生み出します。
また、小麦粉とかん水と反応してうっすらと黄色くなることで、中華麺特有の色を生み出します。
みなさんがラーメンを食べたときに感じるコシや風味、色を作り出していたのは、実はかん水だったんです。

かん水なしでは、中華麺とよべない?

中華麺、うどん、パスタは、どれも小麦粉を原材料として、ほとんど同じ製法で作られていますが、違いは何か?というと、かん水が入っているかいないかということなんです。
そもそも麺の食品規定で、【中華麺とはかん水を加えて加工したもの】という定義があるため、かん水を入れないと、中華麺と表記できないんです。

かん水の安全性は?

かん水には、天然由来のものもありますが、日本では、ほとんどが、化学合成されたものが使用されています。
化学化合物=体に悪いというイメージがあることと、かつて(戦後)の日本では、人体に有害な水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を使用したかん水が出回っていたこともあり、安全性を心配する方も多いかと思います。
現在では、食品衛生法によって定めらたもので、日本食品添加物協会が認定したかん水認定証があるものしか販売できないことになっており、安全性が認められています。

ラーメンの太さはどこから細麺でどこから太麺?

ラーメンの太さはどこから細麺でどこから太麺
ラーメンの麺の太さについてお話します。
麺の太さでラーメンの味が変わると言われるくらい麺の太さは重要な要素の一つです。
そもそも太さの基準は?
製麺業界では麺の太さの基準は、麺を切り出す切刃(きりは)番手によって数値化されているんです。
番手とは、30mmの幅の麺から何本の麺が取れるかが1~30の番号で決められていて
例えば、1番だと30mm÷1=30mm幅(太い)、30番だと30mm÷30=1mm幅(細い)となります。
では、何番~が細麺で、何番~が太麺なんでしょうか。

細麺・太麺の一般的な基準とは?

麺の太さの目安
10番 3.0mm
極太
12番 2.5mm
14番 2.2mm
16番 1.875mm
18番 1.7mm
20番 1.5mm 通常
22番 1.4mm
24番 1.25mm
26番 1.15mm
28番 1.1mm 極細

20番を境目に
20番より大きいと細麺、
20番より小さいと太麺としているところが多いです。
※太さの感覚には個人差がありますので、あくまでも一般的な基準です。

麺の食感や特徴、スープとの相性は?

細麺はツルツルとした喉越しやすすりやすさと歯切れの良い食感が特徴で、スープとよく絡むため淡麗系などのさっぱりしたラーメンや昔ながらの中華そばに好まれます。
太麺はコシが強くモチモチとして食べ応えのある食感が特徴で、麺も伸びにくくコッテリ系やつけ麺などの濃厚なスープとの相性が良いです。

早川製麺では、細麺から太麺まで様々な形状のオリジナル麺をご提案させていただいております。
サンプル請求やご質問・ご相談等ございましたらお気軽にお問い合せください。